※痛みは何らかの侵害刺激に対して身体組織の構造や機能が
  正常から逸脱していることを知らせるサインです。


身体に起きた異常やケガの状況を感覚神経を通じて脳に知らせます。
この信号によって私達は、痛みの程度を知ることができ、痛みの出る動作を避け、安静にして
痛んだ組織の回復を図ることが出来ます。

急性の痛み
        
身体を守るために欠かすことのできない痛みです。
身体を動かさないで安静にしても痛みを感じたり、患部が熱く発赤や腫脹があれば、
炎症があることを示しています。
組織の治癒とともに、炎症症状と痛みは消えていきます。

・受傷直後一般的な傷害(捻挫・打撲・肉離れ等)では、受傷直後に炎症症状を最小限にする目的で、
       「RICE」処置を行います。これにより傷害部位の治癒過程を短縮することが可能です。

Rest(安静):患部を動かさないで安静に保つ。
Ice(冷却) :受傷組織を冷却することにより受傷組織から熱を取り、
       血管を収縮させて炎症や出血を抑える。
Compression(圧迫):受傷組織や血管を圧迫し、患部に
            細胞液や血液が滲出して内出血や腫脹が起こるのを防ぐ。
Elevation(挙上):患部を心臓より高く上げる事で腫脹の軽減や内出血を防ぐ。






慢性の痛み(痛みの悪循環)、及び痛みのメカニズムについて 

組織損傷による痛みが、治癒せず長期に渡って持続している状態です。

例えば、腰の筋肉を痛めた時、その損傷部位が完全に治りきらないうちに、
仕事や日常生活で痛みをこらえながら身体を無理に使う事などにより、
治癒しかけていた筋肉組織を、再び損傷させる恐れがあります。



部位の瘢痕化が進んでしまったり、筋肉の引きつれなどが起こり、
痛みの発生原因の元となります。
 また、痛みが起こると、交感神経が緊張します。その結果、筋肉の緊張が強まったり、
血管が収縮したりします。
これにより血液循環が悪くなるため、その部位へ新鮮な酸素や栄養が送られなくなります。
血液循環の低下、酸素不足は、痛みをもたらす「発痛物質」を産生させます。
そのため痛みを感じる神経が刺激され、痛みが強まります。

このように痛みを放っておくと痛みが痛みを招く「悪循環」をもたらしてしまうのです。
この様にならないためにも、痛みが出たら早めに治療を受けて下さい。




その他の痛み



骨・軟骨の変形...
骨や軟骨自体に神経は無いので、それ自体で痛みを起こすことはありません。
痛みの原因はその周囲にある筋肉や腱、時には関節包の炎症です。また、骨に張り付いている
骨膜の損傷、炎症によって発生する痛みもあります。



神経痛...
末梢神経に圧迫、炎症があると痛みやしびれが発生します。圧迫の原因としては
筋肉、靭帯などの軟部組織による圧迫や骨の変形があります。



筋肉痛...
筋肉の痛みの総称を筋肉痛と呼びます。痛みの原因としては
筋の損傷・疲労によるもの、筋違えがあります。

@筋肉の損傷によるもの(肉ばなれ)
 筋肉の線維そのものが損傷したことにより、発痛物質が産生され
 痛みが出現します。

A筋肉の疲労によるもの(一般的に筋肉痛と言われるもの)
 筋肉に過度な負担がかかることでと筋肉に微細な損傷が起こります。そして、この損傷を治すために
 炎症を起こし血流を増加させます。この炎症を起こす過程で発痛物質を産生するため痛みが出現します。

B筋違えによるもの
 筋肉が何らかの原因でからまってしまった時に筋肉を動かすと
 筋繊維どうしが引っかかり痛みが出現します。
 さらに、無理に動かすことにより、こすれ合って炎症が起き、痛みが出現します。


                    ※発痛物質:患部に痛みを出現させるとともに、血流量を
                             増加させる作用があります。
                             ブラジキニン、ヒスタミン、プロスタグランジンなど
        

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